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「お上品な」ひと

さて、「異邦人」を読みます。今、自分の部屋が寒くて、テンションが低いのですが(笑)、がんばります。。。

今日はマリイと一夜を共にしたあと、ひとり自分の部屋で退屈な日曜日を過ごすムルソーの場面です。
彼はお昼までのんびり過ごしたあと、食事の用意にとりかかります・・・

Je me suis fait cuire des œufs et je les ai mangés à même le plat, sans pain parce que je n'en avais plus et que je ne voulais pas descendre pour en acheter.

自分で、卵をいくつも焼いて、鍋からじかに食べた。パンが切れていたが、部屋を降りて買いに出たくなかったので、パンは我慢した。

ちょっと長い文になってしまいましたが、わたしはここで鍋からじかに食べたにあたるmanger à même le platは、アレっと思いました。まず、platって、だったかなぁ。じゃないのかなぁ。仏和にもは載っていないし。一般的に料理を盛る大きめの皿のことですよね。ここは、鍋から直接食べたって意味じゃなくて、同じ皿で食べた、つまり皿を取り替えずに食べたって、意味じゃないかと思ったのですが、どうなんでしょう?
この作品を翻訳した当時は、フランスでの食事は一皿ごと順々に食べるのが一般的だということが日本ではほとんど知られていなくて、ここでのムルソーの同じ皿でたくさんの卵を食べるという、ちょっとだらしない行為をわかりやすく伝えるために、日本で考えるところの、ちょっとだらしない、鍋からじかに食べたっていうふうにわざと訳したのかしら? などということも考えてみました。あくまでもわたしの推測ですが、こんなふうに考えるのも面白いですね♪

簡単に昼食を済ませたムルソーは、部屋のバルコニーに出て外を眺めます・・・

L'aprés-midi était beau. Cependant, le pavé était gras, les gens rares et pressés encore.

午後は晴れていた。しかし、舗道はねばねばしていた。人影はまれで、おまけに、せわしそうだった。

ここで、形容詞のgrasねばねばと訳されています。この形容詞、太った脂っこい、などギトギトした感じです。仏和をみると、ねとねとぬらぬらなど載っていました。ぬらぬらってなに? と思い国語辞典で調べたらぬるぬると載っていました。。。
ここのle pavé était grasは、舗道はぬるぬるしていたのほうがわかりやすいような気もするけど、ねばねばとしたほうのが、この地方の暑いイメージが生きるのでしょうか。

そこへ散歩をしている家族連れが通りかかります。ムルソーは、彼らを細かく観察し、そのなかにいた顔見知りの男についてこう思います・・・

En le voyant avec sa femme, j'ai compris pourquoi dans le quartier on disait de lui qu'il était distingué.

奥さんと一緒のところを見て、界隈で彼のことを「お上品な」ひとだというわけが、のみこめた。

わたしは上品といえば、すぐに思い浮かぶ形容詞はélégantなのですが、ここで使われているdistingué、なにか皮肉なニュアンスでもあるのかと仏和を引いてみたところ、気品のあるしゃれているすぐれた、などポジティブな表現の訳しか載っていませんでした。日本語訳ではなにか皮肉った感じに、お上品となってますね。では、このdistinguéélégantはどう使い分けるのか?
わたしが思うに、同じ上品でもdistinguéよりélégantのほうが粋な感じがします(笑)。人を褒める場合はやはりélégantを使うのが自然な気がするのですが、どうなんでしょうか。

それにしても、今日扱った部分でムルソーは「日曜日は好きではない」と語っています。この感覚、フランスに行く前まではわたしもわからない感覚でした。日本と違ってお店もほとんど閉まって不便だし、街も普段より活気がなく、最初はどう過ごすものかと退屈しました。慣れてしまえばこんなものかと、あたりまえのようになるし、そんな日曜日ならではの過ごし方というのも出来てくるのですが。
この当時のアルジェもそんな感じだったのでしょうか。それともムルソーが単にへそ曲がりだったのか!?

2005年12月16日 | 「異邦人」を読む | こめんと 6件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

う~ん。鍋のお話は面白いです。翻訳ってこんな風に訳していくんですね。読解力のない私は、フランス語以前に、まず、国語の勉強を・・・って感じがします。

2005年12月19日 / Mii #uszzu23EURL【編集

確かに。。。

わたしも、フランス語以前の問題をよく感じます。特に時事問題は、訳以前に知識がないので、なんのことやら日本語になったものを読んでも意味がわかんなかったりして(笑)。

フランス語もレベルがあがると、日本語でもわかんないようなテキスト多いですよねー。
興味のない分野の読解などは辛いですよね☆

鍋のお話は、わたしの推測ですので。。。
でも、大胆な訳ですよね☆

Miiさんの「ナナ」もセリフの訳面白いです!
くだけた会話の勉強になります♪

2005年12月20日 / しゃるろっと #-URL【編集

「鍋」と「ねばねば」と「お上品」

今日、中村光夫訳を再び図書館で借りてきました。(気になっていた~)

「僕は卵をいくつも焼いて、皿にうつさずに食べ、パンを切らしていたが、買いに降りたくなかったので、なしですませた。」

「おだやかに晴れた午後だった。しかし敷石はべっとりして、人通りは少なく、まだせわしそうだった。」

「細君と一緒にいるところを見て、僕はなぜ彼が町内で、様子のいい男と噂されているかがわかった。」

う~ん、おもしろいですね。私には、中村さん訳のほうが素直に情景が浮かぶ感じがしますが、窪田さん訳のほうが一味ひねっている?

2006年01月05日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

やはり鍋でいいのか!?

ううむ。ここでいうplatは皿と限定しているわけでもないような気がしてきました。やはり鍋か!?

こうして比べてみると、窪田訳、擬人法的な風景描写が生きていて、見方によってはキモイけど、わたしは好きよ♪

「ねばねば」も生きてますね。クールな感じもするけどアクもある。
「様子のいい男」もいいけど、「お上品なひと」とすると、読み手にいろいろ連想させて、ひっかかりのある訳というか。
「細君」とは懐かしいんじが。やはり窪田訳は現代的な感じで古くならないという印象も持ちました。

oomotさん、気になってましたか。ご苦労様~。こうしてみると、面白いですね。訳する人によって世界観が変わりますね。

2006年01月05日 / しゃるろっと #-URL【編集

気になっていました

それで、年明け開館日に、図書館に走ることを決めていました。(笑)
前のコメントに追記しました。(先ほど、途中でつながらなくなってしまったので…)

plat っていうのは、クレープを焼く鉄板みたいなやつですかねー? 私はそんな情景を浮かべたのですが。

「細君~」の文は、笑ってしまいました。ムルソーの思考が、じいさんみたいで。

2006年01月05日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

plat

platは辞書によると二つ単語がありました。
ひとつは英語のflat
もうひとつは英語のdish
わたしは後者の方で考えてましたが、前者で考えてみるとつじつまが合いますね。
前のa memeで「じかに」という慣用句なので、なおのこと☆
変に考えすぎたか? 両者の訳のほうが普通の読み方でしたね。

「細君」にすると、ムルソーのイメージがちょっと違うな。。。じいさんというか、昔の書生さんみたいのを思い浮かべてしまいました。わたしは~。

2006年01月05日 / しゃるろっと #-URL【編集

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