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時々、疲れて、夢みるように見えた

♪もう、いーくつ寝ると、お正月~ですね。ちょっと風邪気味のせいか、ぼうっとしてますが「異邦人」を読んでいきます。

今日は、せっかくの日曜日に外出せずに自分の部屋のバルコニーから通りを眺めているムルソーのみた、ありふれた外の様子の場面からです・・・

Un peu plus tard passèrent les jeunes gens du faubourg

しばらくして、場末町の青年たちが通った。

ここで場末町となっているfaubourg、仏和で引くと場末の他に、町外れ下町とも載っていました。パリなどにある昔に城郭外だった通り、たとえばフォーブル-サントノレは頭にこのfaubourgがついていますね。

J'ai pensé qu'ils allaient aux cinémas du centre.

中心区の映画館へゆくのだろうと私は考えた。

Les spectacles étaient partout commencés, je crois.

思うに、どこの見世物小屋も開いたのだろう。

この二つの文はちょっと離れているのですが、なぜ並べたかというと、ここでLes spectacles 見世物小屋と訳されているのは!?と思ったからです。前後の文章の関係からいっても、この場合は劇場、つまり映画館のことだと思うのですが。見世物小屋というと、なにか怪しいですよね(笑)。いくら場末とはいえ、ムルソーの部屋は大きな通りに面しているのだし、やはり映画館とするのが自然なのでは?
aller au spectacleといえば、芝居や映画を観に行く、という意味になるのが一般的なので、やはり、見世物小屋とすると、まるで昔の浅草みたいなのを想像しちゃうんですけど(笑)。←あくまでもイメージですよっ。

C'était vraiment dimanche.

全くの日曜日だった。

ここで使われている副詞のvraimentは強調の、まさにといった意味ですね。この部分の訳は日本語の曖昧さが生きているなと思いました。

Presque aussitôt, les cinémas du quartier ont déversé dans la rue un flot de spectateurs.

間もなく、界隈の映画館が観客の波を通りへ押し出した。

ここは擬人法的な訳ですね。原文のまま主語をles cinémas du quartier 界隈の映画館が、にするのがストレートな訳ですが、un flot de spectateurs観客の波を主語に見立てて、間もなく、観客の波が界隈の映画館から通りへ押し出た。(押し出てきた、のほうが自然かな)とする方法もありますね。その方が日本語的には自然かもしれません。そのへんはお好みで。

Parmi eux, les jeunes gens avaient des gestes plus décidés que d'habitude et j'ai pensé qu'ils avaient vu un film d'aventures.

そのなかで、青年たちはいつもよりも張り切った様子を見せていた。彼らは冒険映画を見たのだろうと私は考えた。

ここで張り切った様子と訳されているdes gestes plus décidés は、仏和辞典から直訳調にするだけでも、決然とした動作や、断固とした振る舞いはっきりとした身振りなど、いろいろに訳せそうです。

そのあと、さらに町の映画館から戻ってきた人々をみて、ムルソーはこう思います・・・

Ils riaient encore, mais de temps en temps, ils paraissaient fatigués et songeurs.

相変わらず笑っていたが、時々、疲れて、夢見るように見えた。

形容詞のsongeur夢見るようにと訳されていますね。なにかロマンチック☆な訳だと思って仏和をみたら、要するに物思いにふけってぼんやりしている様子のことらしいです。なるほど。

こうしてフランス語の原書と日本語訳を同時に読み比べていると、日本語に訳されたものだけでは、いまひとつ曖昧に感じていた部分もはっきりと理解できるような気がします。
フランス語が日本語と比べたときにとてもシンプルに感じる原因のひとつに、語彙の少なさによるものがあると思います。日本語はなにか同じ事を言うにも、言い方や言葉がたくさんありすぎますよね。
フランスの小説などで和訳されたものを読んで、難しい、意味が掴みにくいと感じた場合、原書をみてみたら案外シンプルだったってことは案外多いかもしれません。

2005年12月29日 | 「異邦人」を読む | こめんと 4件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

はじめまして。

異邦人、懐かしいです。アルジェとか時代背景とか宗教的な要素があるのですが、私の世代には先に懐かしさでしょうか。しばらく旧仏植民地で暮らしているのですが、同じようにコーヒー片手にベランダで雑踏を眺めたりしていますが、ムルソーみたいな虚無感に陥らないのは、やっぱり日本人だからでしょう。今、Le ClezioのLe Chercheur d'orを今読んでいますが、とても面白いです。これは翻訳は無いみたいですが。
平凡社ライブラリーのポールバレリーセレクションを原書と読み比べていますが、翻訳者はさすがだなあと感心するばかりです。まあこれは、当方のフランス語能力以前の頭の悪さが原因かと思いますが。

2005年12月29日 / MOI #-URL編集

MOIさんへ

はじめまして!

アフリカにお住まいですか。旧仏植民地など、フランス海外県やフランス語のとりあえず通じそうな場所は、いつになるかわからないけど、いずれは訪れてみたいです。

異邦人を(日本語で)最初に読んだのはかなり以前のことで、当時は衝撃的な作品だと思ったのですが、今原文で読むと自然に通じる箇所がみつかったりして面白いです。

フランス語以前の問題はわたしも大きいと思います(笑)。あまり難しく考えずにゆっくりとやっております。
「コーヒー片手にベランダで・・・」っていうのは、フランスでもやったことがないので憧れますね(笑)。

2005年12月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

夢みるように。。ですか? こんな風に素敵に訳しちゃうんですね。やっぱり、国語力が必要だ~。
 ちょっと早いんですが、来年もどうぞ宜しくお願い致します。
 (また、来るとおもいますが・・・念の為、ご挨拶でした。)

2005年12月29日 / Mii #uszzu23EURL編集

Miiさんへ

ここの訳は、わたしじゃなくて、本家本元の窪田啓作氏です。。。
わたしはこの「異邦人」の訳はやってません。突っ込みをしているだけです(勘違いしている人、まだいるかもしれませんね★)

わたしはこの小説の訳の感じが好きなので、やっていて楽しいですね。粋なフレーズが多いし。

いやぁ、それにしても年末ですねー。(はやっ)
こちらこそ、来年もどうぞ宜しくお願いいたします!

2005年12月30日 / しゃるろっと #-URL【編集

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