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人間の方は憎悪をもって

ううむ。いろいろと書きたいことが溜まってきた今日この頃。記事を書くのが追いつかないのですが、「異邦人」を読むことにします。この原書に最近、「星の王子さま」のプロジェクトでのわたくしの師匠、uwabamiさんも手を染めたらしい。ぼちぼち更新しなくちゃね♪

今日、やろうとしている部分(1部の3章の途中)は汚い言葉が出てきたり、乱暴な表現が多いので、そういう言葉はなるべく省いてお送りしょうと思います。まぁ、覚えちゃいけないような表現に限って、すぐ覚えちゃったりするのですが(笑)。

今日はムルソーの隣人、サラマノ老人と長年連れ添っている犬との描写からです・・・

On peut les voir le long de la rue de Lyon, le chien tirant l'homme jusqu'à ce que le vieux Salamano bute.

ひとはリヨン街に沿ってこの二人の姿を見ることができる。犬が人間を引っぱっている。時にはサラマノ老人がつまづいてしまう。

この文章、時には・・・と訳されているjusqu'à・・・の部分、普通に読むと、~するまでになると思うのですが。この訳では犬に引っぱられている老人がつまづくこともあるといったニュアンスで、犬がぐいぐいと、つまづくほどまで引っぱっているという感じではありませんね。原文の方が犬の強引な感じが出ているかなと思いました。訳文の方がソフトな感じの解釈ですね。

Il bat son chien alors et il l'insulte.

すると、老人は犬を打ち、ののしる。

ここでは動詞のbattre打つと訳していますが、そうすると鞭かなにかでピシピシやっているようなイメージを浮かべてしまったのですが、これはたたくとか、ぶつという言葉のほうがいいような気もするんですが。。。こちらは和訳の方が残酷になっていますね。

Le chien rampe de frayeur et se laisse traîner.

犬はおじけて、はいつくばい、ずるずると引きづられる。

ここで、おじけると訳されている名詞のfrayeurは仏和を引くと、(突然の激しい)恐怖恐れと載っていました。原文の方が犬がビクっとする様子が出ていると思いました。

老人と犬は何度も引きづったり、引きづられたりを繰り返し、しまいにはそれすらやめてしまいます・・・

Alors, ils restent tous les deux sur le trottoir et ils se regardent, le chien avec terreur, l'homme avec haine.

そういうとき、二人は歩道に立ちどまって、互いに顔をながめ合う、犬の方は恐怖をもって、人間の方は憎悪をもって。

ここで面白いと思ったのは、avecの訳し方ですね。~をもって、という表現、日本語としてはちょっと不自然な感じもするのですが、フランス語の味が生きているような感じもします。こういった前置詞の訳し方は、そのひとの癖のようなものもあるのかもしれませんね。

さて、アパートの階段で犬をののしっている老人に出くわしたムルソーは挨拶をしますが、老人はそれに答えません。声を高めて、どうしたのかと再び聞いたムルソーに対して老人はこう答えます・・・

Il est toujours là.

こいつはくたばりもしないんだ。

この訳にはびっくりしました☆ 原文を読むと、こいつはまだここにいるんだ、つまり、こいつはびくともしないんだ、という意味なのかなと思ったので。
ただ、この前の文章でサラマノ老人が犬をののしるセリフが「Charogne」、これはならずもの悪党といったののしり言葉なのですが、動物の死骸という意味もあり、ここではくたばり損ない奴と訳されていたので、そのセリフを生かすために、大胆な訳を試みたのでしょう。

Puis il est parti en tirant la bête qui se laissait traîner sur ses quatre pattes, et gémissait.

それから、彼は動物を引っぱって外へ出た。犬は四肢を踏んばりながら引きづられ、うなっていた。

このフレーズ、最初日本語で読んだとき、なぜ急にここだけ、動物に変わっているんだろうと違和感を覚えました。原文をみるとここだけ、いままでle chienだったのにla bêteになっています。フランス語の文章は同じ名詞を繰り返すのを嫌うので、別に言い換えなくてもいいようなときにまで、わざわざ別な言葉に言い換えるという特性があるのですが、この場合はla bêteをわざと使うことによって、野蛮な効果を出しているのかなと思いました。
このフレーズ、フランス語ではla bêteだけなのに、和訳では動物と二種類の呼び方が出てしまいましたね。この部分は日本語では、なんともいえない奇妙な味が出ています。

それにしてもムルソーの隣人は強烈ですね(笑)。次回はもっと強烈なもうひとりの隣人が登場します。わたしの突っ込みどころのキャラですね。

それでは、おやすみなさーい☆

2006年02月09日 | 「異邦人」を読む | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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