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天使たちは傷だらけ?

月に一度の映画のカテゴリーがやってまいりました。



今日はコチラ。「バルスーズ

この映画のタイトル、どうなんでしょ。あからさまに言っていいのでせうか? 仏和辞典には「ワルツを踊る(ひと)♪」と載ってますが、スラングでは。。。ま、そういうことだったの☆

こちら70年代の作品なのですが、日本では95年にリバイバル上演されているそうです。わたしが新宿で観たのがたぶんそれだと思うのですが、もう10年以上も前ですか。
パンフレットの表紙に載っていたコピーが「自由に生きて、きれいになる」ですって。なんじゃ、それ。

この映画を映画館で実際に観た最初の段階では、わたくし、おおいに後悔したのを覚えています。はっきり言って、こんなにお下劣な映画は他にないと思いました。まず、登場人物のセリフがスラングだらけで、しかも訳しちゃいけないレベルらしくて字幕が「○△☆□・・・」みたいなことにしょっちゅうなってるし、主役の二人の青年もなんか観ていて不愉快。「失敗したな」と思いつつ、いやいや観てたのですね。映画館のまわりの人たちもそんな空気が漂っていて、「これ、ギャクなんだろーな」って部分も誰も笑わずシーンとしてるし。なんか倫理的に、かっとび過ぎなんですね。

ところがっ、中盤辺りから突然、様子は変わり、ぐんぐんスクリーンに吸い込まれ、何度もププっと笑ってしまい、観終わった後には、いまだかつてないくらいの爽快な気分で映画館を後にしたのです。なんなんでしょ! この映画っ!

後で知ったことなのですが、この映画はフランスでは70年代に「エマニュエル婦人」と並ぶセンセーショナルな話題作だったそうです。フランス版「イージー・ライダー」とか70年代の「勝手にしやがれ」とかいろいろといわれているようです。

監督のベルトラン・ブリエは後にキャロル・ブーケ主演の「美しすぎて」でセザール賞やカンヌ映画祭の審査員特別賞などを受賞。
個人的にはミシェル・ブランが主演と監督をした「他人のそら似」の脚本を書いた人って感じなのですが。

主演はジェラール・ドパルドュー。フランスで映画出演作の最も多い俳優のひとりだと思うのですが、当時のいかにもヒッピーな青年役が板についています。彼って、どうなんでしょ。国民的な俳優さんなんだろうけど、若き日の彼って、イケていたのかしら? その頃、映画「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」でチョイ役で白馬に乗って登場☆したりしてたけど(笑)。

そして彼と兄弟のように、いつもおそろいの服でつるんでいたのがパトリック・ドヴェール、彼はこの映画の約10年後に自殺。

その二人と一緒に放浪するのはミュウ=ミュウ。彼女のバカ娘ぶりがすごいです☆
彼女も映画出演作が多く、セザール賞の主演女優賞を拒否したことで有名です。そのわりには日本ではあまり彼女の映画は話題にならないような。わたしは彼女が主演した「読書する女」は映画も小説も好きです。なにかサラリと不条理が似合うような不思議な女優さんですね。

あと忘れちゃーいけないのが、この映画におけるジャンヌ・モローの存在です。たまに映画の中で脇役なのに、存在感が強くてシーンが少ないのに、一人でいいところをかっさらっていく人っていますよね。
この映画も彼女が出てくると、いきなり別の映画のようになってました。彼女は最後に銃弾で自殺をするのですが、そのシーンはかなり衝撃的です。なにげなく彼女が海辺を歩くシーンなども素敵なのですが、いろいろなフランス映画でさんざん観た自殺のシーンの中では、これがピカイチではないでしょうか。。。
彼女は他の作品でも、いろいろとわたしをシビレさせてきましたが、この映画は特に印象深いですね。

他には「禁じられた遊び」のブリジット・フォッセーや、イザベル・ユペールも出演しています。

この映画、犯罪を繰り返しながら放浪する若者たちを描いたものなのですが、フランス映画ってこういうお話のときって、行き場がなくなってラストで主人公が死んじゃったりするでしょ?
ところがこの映画って、そんなオチなどなく。欲望のままに生きる彼らは最初から最後まで能天気にステファン・グラッペリの軽快な音楽をバックに逃げまわるだけなんです。

あまりにも露骨でお下劣な彼らが、観ているうちに純粋な天使のようにさえ見えてくるから不思議です。
日本でも70年代って「傷だらけの天使」とかありましたねー。「俺たちは天使だ」とか(笑)。

運が悪けりゃ、死ぬだけさー♪♪ 

最後のシーンで車に乗って逃げるドパルデュー、もはや逃げ場もない状態でも言ってます。
「ま、くよくよするな。なんとかなるさ」って。

死ぬだけさぁー♪♪

鑑賞後は、打って変わったように爽やかな気分で新宿の街中を歩いてました。

2006年02月18日 | 私的フランス映画 | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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