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きょう、ママンが死んだ

タイトルでもうお気づきだと思いますが、今日から以前お知らせしていたとおり「異邦人」を最初からおさらいしていきます。

この小説はこんな衝撃的なフレーズからはじまります。

Aujourd'hui, maman est morte.

きょう、ママンが死んだ。

この小説は主人公であるムルソーが一人称のjeで語るというスタイルなので、使われている過去時制は複合過去形です。これは日常会話のフランス語と同じです。古い文学作品に多く使われている単純過去形は出てこないので、文法的な面ではそんなに難しくないと思います。

ちなみに、作者であるアルペール・カミュがこの冒頭部分を書いたのは1938年、(昭和13年!)、 当時彼は25歳でした。
その年、カミュはフランシーヌという女性と婚約していますが、そのときすでに友人の婚約者であり、麻薬中毒に冒されていたシモーヌという女性と結婚していました。その2年後にこの小説は完成。そしてシモーヌと離婚し、フランシーヌと再婚。ガリマール社から「異邦人」が刊行されたのは29歳のときだそうです。

Ou peut-être hier,je ne sais pas.

もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。

このpeut-être は会話でよく使われます。相手の言ったことに対して、たぶんそうかもしれないとあいまいに答えたいときにこの表現は便利です。

受け取った電報に対して、さらにムルソーはわからないと繰り返します。

Cela ne veut rien dire.

これでは何もわからない。

このフレーズは直訳すると、これはなにも言おうとしていない、になりますね。

C'etait peut-être hier.

恐らく昨日だったのだろう。

peut-êtreが2度も繰り返されて、このムルソーの、いいかげんというか、体温の低い感じが冒頭からすでに感じられます。

そして休暇を願い出たムルソーは、主人の不満そうな態度にこう言い放ちます。

Ce n'est pas de ma faute.

私のせいではないんです。

このフレーズ、日本語で聞くときつい感じがするけど、フランス人が言うのをよく耳にしました(笑)。これも覚えておくと便利な表現でしょう。

しかし、返事をしなかった主人を前に彼は後悔します。

je n'aurais pas dû lui dire cela.

こんなことは、口にすべきではなかった

すべきではなかったは条件法過去を使って、je n'aurais pas dû +動詞の原型で言うことができます。ほんとに今日の部分は日常会話で便利な表現が多いです。

さらにムルソーは考えます・・・

je n'avais pas à m'excuser.

言いわけなどしないでもよかった。

あれこれ後悔をするムルソーですが、反省はしていないようです・・・

C'était plutôt à lui de me présenter ses condoléances.

むしろ彼の方が私に向かってお悔やみをいわなければならないはずだ

これはêtre à+動詞の原型で、しなければならないという表現になります。今日はめずらしく文法解説してますね、わたし(笑)。

さらにムルソーは冷静にこう考えます。

ce sera une affaire classée et tout aura revêtu une allure plus officielle.

これは処理済の事柄となり、すべてが、もっと公のかたちをとるだろう。

処理済の事柄ですか・・・冷たい表現ですね。
このune affaire classée もう済んだことと、やわらかい感じに言うこともできますが、翻訳によって見事に、このムルソーの冷たくて、理屈っぽい感じが生かされていると思います。

こうして繰り返し読んでみると、前回読むより楽ですねー。同じテキストを何度も読むということも大切だなと思いました。動詞の活用を暗記するにしても、発音の練習にしても、単語を覚えるにしても、聞き取りにしても、同じことを繰り返して、繰り返して、やっとわかるようになってゆくのですから。
わたしは「語学は、ざるで水を汲むが如し!」と言った日仏学院の先生の言葉をよく思い出します。無謀なことも繰り返していけばかたちになるのです。そうです、フランス語を勉強するというのはなかなか大変です!

わたしも初心を忘れずがんばろうと、改めて思いました。

2005年07月04日 | 「異邦人」を読む | こめんと 10件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

今日から

しゃるろっと先生。今日からこのブログを教科書代わりに、勉強させていただきます。

2005年07月05日 / オルサ #-URL編集

オルサさんへ

いや、こちらこそ、こんなのでよかったらって感じです!
けっこうアバウトなんで、オルサさんも謎に思ったことなど、なんでもつっこんでくださいな。ほんと、ご意見ご要望いつでもお持ちしています!!
ところで、イタリアに興味があったということで、ひょっとしてイタリア語のほうは?

2005年07月05日 / しゃるろっと #-URL【編集

イタリア語

イタリア語は、まあまあそこそこ(中級程度)にはできるのですが、しゃるろっとさんもご存知のように、日本人共通の悩みとして、文法がばっちりでも会話となるといまいちで、しかも使わないとどんどん忘れていきます。

仏語は聞くとチンプンカンですが、読むのは楽ですね。伊語と仏語は姉妹ですから。

2005年07月05日 / オルサ #-URL編集

Link登録

しゃるろっとさんのこのブログを、私のブログ「幸せをくれるテディベア」のLinkリストの中に入れさせていただきました。

2005年07月05日 / オルサ #-URL編集

伊語と仏語

あっ、やはりイタリア語をやっていたのですね。
わたしの場合は普通の日本人と逆で、文法オンチのくせに、しゃべってました。勢いだけで・・。
伊語と仏語、姉妹ですか? なんか関西弁と東京弁くらいの違いだって聞いたこともあります。(笑)
仏語は日本人の耳には聞こえないですね。母音が多すぎて。まぬけな呪文のようですもんね♪

2005年07月05日 / しゃるろっと #-URL【編集

リンク登録♪

今、コメント打ち終わったら、オルサさんの新しいコメントを発見しました。
リンク登録ですかー。ありがとうございます! どうぞ、どうぞ。
オルサさんのブログもじっくりと拝見させていただきますねー。

2005年07月05日 / ありがとうございます! #-URL【編集

異邦人

もんんのおぉぉぉ~すごく昔の記事に失礼!
先週から私も「異邦人」を読み始めました!

シンプルに書かれてる分、想像力がいるな~って思います。

既に苦闘中、笑 しゃるろっとさんの記事参考にさせてください~。質問がんがんしちゃうかも!!

2006年01月31日 / うわばみ #-URL【編集

うわばみさん

おおっ、「異邦人」を読み出しましたか!

たぶん、うわばみさんが読み終えてもこのカテゴリーでチンタラやってそうです。(進まないのよー!!!)

でも、意外とフランス語で読むと親しみのわく文章よね。窪田さん訳が渋いだけに、案外読みやすいのでは!?

2006年02月01日 / しゃるろっと #-URL【編集

うわばみの歩みはのろい。。。

ちんたらちんたらで、一日1,2ページって感じです~。わかんない~って思ったところが、記事で解説されてるので、とっても助かってまーす。

私、またしても異邦人の和訳読んだことないんですよね。フランス好きだけど、仏文学は何故かほとんど読んでなくて。。。学生時代はもっぱら英文学派でした。

原書読み終えるまでは、我慢しようかな、窪田さん。

2006年02月02日 / うわばみ #-URL【編集

和訳

「異邦人」を先に原文とは、粋ですなぁ☆

意外と風景描写が難しいかも。あと、会話のくだけた表現とか、慣用句とか。わたしにとっては「星王子」より、リアルなフランス♪って感じがしますが。

ムルソーのよく使うあいまいな言い方とか、なかなか会話に役立つんじゃないかな。

窪田さん、名訳だとわたしは思いますよー。
あとから読んで、「アレっ」ってのもあるかもしれないけど、それも楽しみですね。

2006年02月02日 / しゃるろっと #-URL【編集

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