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本当の「王子」にやっと出会える

すっかりモナコ王室にうつつを抜かしてしまいましたが(まだ、ネタが尽きないんだけど・・・)、今日は前から気になっていた本のことをズラズラと書いてみるわ。



まずはタイトルからも察しがついたことでしょう。野崎歓さんの「ちいさな王子

すでに10冊を超えるサンテグジュベリの「Le petit prince」の新訳が出揃いましたが、野崎さん訳でやっと「とり」となるのか???
この本のキャッチコピー、「本当の「王子」にやっと出会える」から静かな自信のようなものを感じるのはわたしだけか!?

わたしは6月に、野崎さんが「NHKテレビフランス語会話」のテキストに連載しているエッセイ「翻訳びくびく日記」の記事を書きました。
そこで内藤濯さんの名訳「星の王子さま」で有名な「Le petit prince」のタイトルをどうするか大いに迷った経緯も知ったのですが、それから早3ヶ月・・・野崎さんの「ちいさな王子」が発売されたわと思うまもなく続々と世界の古典文学の新訳が登場していました!



野崎さんは他にも「カミュ『よそもの』きみの友だち」も出していました。こちらはいわずと知れた「異邦人」の新訳です。



同じみすず書房からはさらに合田 正人さんが「サルトル『むかつき』ニートという冒険」(あれっ、そんな話だったっけ?)も。こちらはもとのタイトルは「嘔吐」ですね。

なかでも注目するのは、さきほどの野崎さんの「ちいさな王子」も含む「光文社」の「古典新訳文庫」の登場です!
「いま、息をしている言葉で」というキャッチコピーのとおり、現代感覚溢れる翻訳者たちが、若い世代の人たちにも読みやすいような言葉で古典の名作を訳しています。
こちらの文庫は今後もどんどん新刊を発売していくということで、とても楽しみなのですが、そのなかでとっても気になる本があります!



まずはバタイユの「マダム・エドワルダ/目玉の話」。

こちらは60年代に生田耕作さん訳で知られるものなのですが、「目玉の話」ってのに参りましたっ。これ「眼球譚」のことですよね? おいっ、鬼太郎!

このお話、少年少女の性的倒錯というか、「目玉」に異様に興奮するんだっけ? なんか遠い記憶で覚えてませんが(笑)。

あと、こんな話あったっけ?



猫とともに去りぬ」!?

「あまりの幻想に、笑い転げる。イタリアン極上ファンタジー短編」だって☆

これは16の短編集なのだそうで、表題の「猫とともに去りぬ」は、人間社会がいやになってしまったおじいさんが猫になってしまうというお話だそうで、そのほかにも魚になってしまう一家とか、ピサの斜塔を略奪しようとする宇宙人とか・・・「超」のつくファンタジーが満載。現代社会の皮肉や風刺が溢れているそうです。

・・・秋の夜長に読書、ってな季節になってきましたが、野崎さんに話を戻すと、彼の訳で今いちばん読んでみたいと思っているのは



ジャン=フィリップ トゥーサンの「愛しあう」。フランス人カップルが日本(新宿と京都)を舞台に「愛の儀式」を繰り広げるお話。
トゥーサンが日本を舞台に書いた小説といえば「セルフポートレート―異国にてがあり、こちらは読んだのだけど、ヨーロッパのひとの感じる現代の日本っていうのが奇妙な味わいがあって面白いと思います。

ちなみに「愛しあう」の原題は「faire l'amour」。英語でいう「メイク・ラブ」のことだそうで、野崎さんはこのタイトルも決めるのに相当悩んだそうです。
「原題に比べて邦題にはあと一歩、恥ずかしさが足りないかもしれない」と本人もエッセイで語っていました(笑)。

収集のつかないエントリーとなってしまいましたが、新訳が続々と出て新しい解釈や正しい訳、わかりやすい日本語になるのはもちろんよいことで、次の世代に読まれるよいきっかけのひとつになるんだろうけど、その小説が書かれた「時代の空気」ってものはどこにいっちゃうんでしょう?

音楽や映画は時を止めるけど、文学(言葉)には、そういうことを求めてはいけないんでしょうかね?

2006年09月24日 | 本の話 | こめんと 10件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

NHK仏語会話テキストを買っていませんし、しゃるろっとさんの6月の記事もたまたま読んでいなかったので、野崎歓さんのエッセイが読めて嬉しいです。
「ちいさな王子」と直訳で来ましたか。「星の王子」にさらに「さま」も付けたタイトルに慣れているので、かなり違和感を感じてしまいますね。読者のそういった反応を承知で、あえてこのタイトルをつけるところに、翻訳家としての、この人の真摯な姿勢を感じます。
この光文社のシリーズ、一度試してみたいですね。

2006年09月24日 / オルサ #-URL編集

オルサさん♪

最近、どんどん読書離れが進んでゆくので古典も読みたいなぁと思っていたところ、どんどん面白そうな新訳が出ていて気になります。

野崎さんのテキストのエッセイ、なかなか面白いです。最近はテレビフランス語のほうがラジオのほうより、内容が好きです。

野崎さんの訳は淡々としたシンプルな感じなのに、いつも不思議といい味でてるんですよね。今回はどうかなー。でも、実は部分的に見てしまって、ちょっと引いているところです☆ 当分は読まないかもしれません。

光文社のシリーズ、面白い企画ですよね。そのなかでは、イタリアの文学ってあまり知らないので「猫とともに去りぬ」が不思議な世界のようで興味があります♪

2006年09月25日 / しゃるろっと #-URL編集

「本当の王子」には会えませんでした(笑)。
これまでの新訳もキャッチコピーはウソばかりだったけれど…(爆)。
野崎さんの新訳王子は予想よりも普通でした。もしかしたら、野崎さんの翻訳のなかでは汚点になるかもしれない気が…?
《L'Etranger》の新訳(一部分ですが)のほうはよかったですけれど…。

2006年09月25日 / oomot #aIcUnOeoURL編集

oomot さん♪

このキャッチコピーといい、倉橋さん訳の宣伝文句といい、なにも考えずに読んだほうがいいのかしら(笑)。

「予想よりも普通」っていうのは、倉橋さんやなめこさんのときにも一般の人たちが言っていたような。。。っていうか、あのお話は現代的にしないほうがいいと「例のプロジェクト」のときから、わたしは思っていたことも含め微妙ですなぁ★ oomotさんの記事も含め、読む気がよけいになくなりました。

すばらしい! ってひとの意見も聞きたいですね。。。

ただ、旧訳を知らない世代のひとが読んだ、新訳の「L'Etranger」や「王子」の評価が気になりますね。特に10代の人々の。

トゥーサンの小説は「とぼけた味わい」があるって意見を聞いたことがありますが、それは野崎さん訳の成果で、フランス語で読むと案外普通なような。。。

2006年09月25日 / しゃるろっと #-URL編集

野崎さん訳が「予想よりも普通」というのは、「ここを読んでくれ」という翻訳の方針や思い入れというか、ツボなところをあまり感じられなかったというのが大きいでしょうか。たとえば、原文の単語の使い方を忠実に出してみるとか、原文とかけ離れても日本語の表現に意訳するとか。邦題の“星の”をやめたのはよかったですが。

野崎さんの《L'Etranger》新訳のほうはそういう姿勢が感じられたのですが…。
訳者と作品の相性はあるのではないかな? 《Le Petit Prince》は訳者のテイストが出にくいのかも?(そうだとすると、みみずく師匠他、昨年のコンテスト参加者のみなさんはスゴイな…) 

2006年09月25日 / oomot #aIcUnOeoURL編集

oomot さん☆

なるほど、あたりさわりがなかったってことですかね。あのお話の場合、サンテックスのイラストのイメージもあるし、旧訳がメジャーすぎて難しいのかもしれませんね。「MY王子」どこにもいませんかっ(笑)

しかし、いろんなこと言いながらも新訳をいろいろ(全部?)読んでるアニキがいちばんスゴイと思いますよ。わたしは(爆)。

2006年09月25日 / しゃるろっと #-URL編集

もう「異邦人」や「嘔吐」が刷り込まれてしまっているので、「よそもの」とか「むかつき」とか見ると、なんか拒絶反応が(汗)。
ランボーの訳なんかも、古い小林秀雄訳が好みだったりします……。

しゃるろっとさんの、
>その小説が書かれた「時代の空気」ってものはどこにいっちゃうんでしょう?

というギモンに共感します。

でも、食わず嫌いせずに、ちゃんと内容を読んでから判断した方がいいですね。どれから読んでみようかしら。

2006年09月25日 / glasshouse #K6z7/KisURL編集

glasshouse さん♪

この記事を書いてからふと思ったけど、音楽もいい曲はいっぱいカヴァーされるし、外国文学もいろいろパターンがあるのも試みとしては面白いのかも。
ただ、文学の場合それに費やす時間が長いので(曲の場合は聴くのにせいぜい一曲5分くらいで終了するし、何回も聴くし)、それぞれの違いも映像や音楽に比べると地味ですよね☆

音楽のヴァージョン違いなどは、好きな曲の場合はどんどん聴きたいと思うのですが、文学の場合はいまひとつ気がのりませんねぇ。

外国の文学や映画の字幕はリニューアルは仕方ないのでしょうが、微妙な問題ですね。。。やはり最初に読んだものがいちばんだと思いますねぇ。

サルトルの「嘔吐」は読んでないし、他の作品も年とともに嫌悪感を感じる作品もあるので(「水いらず」とか)、読みやすくなっているのなら挑戦してみたい気もしますが、「よそもの」はタイトルだけでずいぶんニュアンスが違いますねー。いろいろ気になりますわ☆

2006年09月25日 / しゃるろっと #-URL編集

おじゃまいたします!
でも、逆に、野崎訳をはじめに読んでいたら…
と考えると、内藤訳などは、ずいぶん説明口調の、暑苦しいものに感じられるかもしれない(ちょっといいすぎか)と思いました。
『ちいさな王子』は、シンプルで、かわいい感じもちゃんとあって、多くの訳のなかでも、わたしとしてはおすすめです!あとがきや解説もおもしろかったです。

2006年09月28日 / よそもの #-URL【編集

よそものさん♪

いいですねー。野崎さん訳のお褒めの言葉♪ 読もうか、よそうか悩むところなのですが←悩むなっ。実は読む前からお腹いっぱいなので、いつの日か。。。

今回の野崎さんの「文庫」というスタイルで最後のほうに出した(本人のおもわくではないでしょうが・・・)ことと、タイトル付けに関する連載エッセイの記事だけでも、かなりいい仕事をされたと思います。読むときはこころして読みますっ。

2006年09月29日 / しゃるろっと #-URL編集

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