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アルジェの光の巣

「異邦人」の世界では、いつもギラギラと太陽がきらめいているみたいだけど、わたしの住む北海道では、初雪が降りました。。。もう冬です(積もらず溶けたけど)。今年は雪虫、大発生だそうで、歩いていると白い小さな虫がフワフワと集団で体に張り付いてきます!

さてさて、どこまで読んだかな? ママンの埋葬のためにムルソーやペレーズ氏、院長、神父などが行列を作って、ようやく村の入り口までたどり着いたところからです~。

Tout s'est passé ensuite avec tant de précipitation, de certitude et de naturel, que je ne me souviens plus de rien.

それからあとは、すべてごく迅速に、確実に、自然に事が運んだので、もう何も覚えていない。
ここで、事が運んだと訳されている動詞se passerはここでいう、事が起こる物事が行われるのほかに、時がたつ時間が過ぎるという意味もあります。

Une chose seulement:à l'entrée du village,l'infirmière déléguée m'a parlé.

ただひとつだけ、記憶がある。村の入口のところで、受持ちの看護婦が私に語った。

実は、前々回わたしが、この物語のなかで地味だけれど印象的なキャラがいると言っていたのは、この方なのです。

Elle avait une voix singulière qui n'allait pas avec son visage, une voix mélodieuse et tremblante.

彼女はその顔付きにつり合わぬふしぎな声をしていた。音楽的な震えるような声だ。

ここで、ふしぎなと訳されている形容詞のsingulière は、ニュアンス的には奇妙なおかしな変わったなどのほうが近いかな。
そんな声で彼女が言ったセリフとは・・・

Si on va doucement, on risque une insolation.

ゆっくり行くと、日射病にかかる恐れがあります。

Mais si on va trop vite, on est en transpiration et dans l'église on attrape un chaud et froid.

けれども、いそぎ過ぎると、汗をかいて、教会で寒気がします。

ここで面白いと思ったのは、attraper+un chaud et froidで、寒気がすると訳されているところ。一般に寒気がすると言いたいときは、動詞のprendreを使います。

そんな彼女のセリフに対してムルソーは、こう考えます・・・

Elle avait raison. Il n'y avait pas d'issue.

彼女は正しい。逃げ道はないのだ。

名詞のissueは、この場合比喩的に解決策、という意味で使われています。一般的には出口という意味ですね。
この焼け付くような太陽の下では、もはやどうすることもできないのでしょうか?
そのあとは、まるでフラッシュ・バックのようにムルソーの記憶の断片が羅列するだけです。ベレーズ氏の顔、教会、村人、墓石のそばの花、そしてまた、ペレーズ氏の失神(悲しみのためか、暑さのためか不明、両方と考えるのが自然かな。ムルソーはそれを操り人形にたとえている)、ママンの柩にかかった土の色、人々の声・・・
このなかでわたしが気になったフレーズはというと・・・

la chair blanche des racines

草木の根の白い肉

ん、肉?

chairは確かにという意味の名詞だけど、他にとかとか(笑)。

le nid de lumières d’Alger

アルジェの光の巣

まっ、詩的な表現♪ 名詞nidって、の他になんか意味があるのかしら? と仏和を引いてみました。巣窟(そうくつ)という意味も載っていたけど、あと住まいとか。なんかピンときませんね。やぱり、le nid de lumières光の巣とするのがいちばんきれいかな。鮮やかなイメージが浮かびますね。

ううむ。やっと、1部の1章が終わりました(笑)。
カミュの淡々とした口調、特になにか大きな出来事が起こるわけでもない、お通夜と埋葬のシーン。そこでのムルソーの疲労と、そこで出合った滑稽な人々。。。
わたしは、この盛り上がらない章の中で、最後にポツリとムルソーに語りかける受持ちの看護婦の存在が妙に気になりました。それも「音楽的な震えるような声」ですよ。怪しいですね~。
後にムルソーは、この看護婦のセリフを再び思い出したりもするのですが・・・
それは、またのお楽しみ♪と、いうことで。さよなら~

2005年10月28日 | 「異邦人」を読む | こめんと 22件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

かぜをこじらせる?

こんばんは。

“attraper un chaud et froid”のところ、prendre も attraper も使うと思います。
attraper のほうが、「悪寒がする、風邪をこじらせる」という感じがしますね~。どうでしょう?

この文脈だとゆっくり行っても、急いでも、病気になると…。

ところで、雪虫って、どんな虫なのですか? 北海道って、春にもなんか飛ばないですか?(笑)

2005年10月29日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

oomotさんへ

こんばんは。

そうです。ただ、仏和に載っていないだけです。attraperのほうが強調されたニュアンスかな。だから、この場合は「寒気がする」ではなくて、もうちょっと「悪寒がする」くらいにしてほしかった(笑)。

どっちにしても、だめだから、ジタバタするなよ、って感じですかね。。。

雪虫、わたしもしばらく忘れてました。
こちら、参照(キモイという人もいるかも・・・)

http://www.bekkoame.ne.jp/~jey/p50/yukimusi.html

http://www.hbc.co.jp/tv/teleport2000/otenki/otenq/otenq1011.html

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

ロベール☆

小学館ロベール、ごついですよね。わたしは本ってあまり増やしたくないタイプで。特にでかい本には抵抗が。。。Le Petit Robertも、ちっともpetitじゃないし。いやー☆

わたしの場合は、仏和に載ってない訳語はエンピツで書き足していきます。だから辞書、すぐ汚くなります(笑)。使えないけど、でも辞書新しく買う気はないですね(笑)。

お天気Qって、北海道でしかやってないのかな(笑)。もんすけ。。。変なおサル★

あの空飛ぶちっちゃいアブラムシが集団で向かってくると、目に口に入ります。洋服も虫だらけ~、そんな北海道から脱出したくなります。11月はいちばん嫌いな月ですねん。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

しゃるろっとさんへ

仏和(中)辞典は、ある程度のレベルをこえると、つかえなくなるんですね…。やはり、小学館のでっかいロベールとかを買わないとダメかな?(重いし、高いけど…)
わたしは、星王子の訳でも、Le Petit Robert とか仏語辞典をつかうことがおおくなってきました。

しゃるろっとさん、このまま読んでいけば、『新訳 異邦人』ができそうですよね?(笑)

雪虫って、あ、あぶら虫のなかま…ですか…。
リンク先の、お天Qの「もんすけの目覚まし時計」がほしいっ!(笑)

すみません、うまく投稿できなかったみたいなので、書き直しました…。(ネットのせいだと思うけど…)

2005年10月29日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

oomotさんのコメント

消えましたね。。。お返事を書いたら、その前の長いコメントがなくなってます。
最近FC2もコメントが消えるという評判を聞いております。わたしのコメントは残っております。なぜっ? 
わたしはコメントちゃんと読みましたよ。それとも幻???

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

重ねてすみません…

すみません…。ネット(回線)のせいみたいです。

前のコメント(たいしたこと書いていないけれど…)、途中で切れて、載ってしまって。書き直して新しいのを入れました。まったく同じのが書けないですが…。(苦笑)

2005年10月29日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

ではなかったのですね(笑)。

コメント送信の不思議なトラブル、このブログでは初めてみたいです。いやぁ、2度もすみませんでした~。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

巨大ロベール★

しゃるろっとさんからのお返事と順序が逆になってしまいました…、とほほ。
uwabami さんのところは、しばらくつながりませんでしたよ…。(白石さんのせい?、笑)

Le Petit Robert は、でかいけど、“小さな”ですよ。Le Grand Robert は、ほんとにでかくて、図書館で、片手で持ち上げそこなって、手首をひねってねんざしたことがありまする…。

今回の異邦人の記事、作者がほんとうにそういう意味で書いているのか、訳者が怪訳にしてしまっているのか、びみょうに感じられるところがおもしろいです。原書を買ってみようかな?

近所の図書館の目録を調べたら、異邦人は、窪田啓作訳と、入沢康夫訳(こちらは新潮社のカミュ全集-2)の2つありました。

2005年10月29日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

異邦人

って、最初読んだときに、キャラクターが多いし、お話は淡々としているし、よくお話がわからなくて辛かったですねー。
まだ中学生か、高校生くらいだったし、それと比べれば大人になってから仏語で読んだほうがよっぽど面白いと思った。
フランス語のレベルとしても、わたしの持っている他のフランス語の児童文学などより、よっぽど読みやすいです。「星王子」よりスラスラ読めます。ホント。

入沢康夫訳は知りませんでした。だいたいの人は窪田訳を読んでいると思いますが。。。
窪田訳は、わたしが思うに直訳調。あまりひねりを感じません。素直な訳。原文とのギャップをあまり感じません。「星王子」と比べると、フランス語的なまま日本語になっている印象です。

2章からは、マリーも出てきて、お話的にはラブ・ストーリーの要素も出て、おいしくなるはずですよ♪ 18禁かしら★ ←ウソ。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

きのう(といっても正確には今日の午前)、コメントを書き出したものの途中で睡魔に襲われ挫折しました。
もとえ!

しゃるろっとさんの「異邦人を読む シリーズ」を読み始めてから、もはや自分で原文を読み進めることを放棄してしまっています。「異邦人」は読みやすいテキストだと思いますが、自分で読んでいたら読み飛ばしているであろう細かい部分の解説が、読んでいて心地よいです。

イタリア語を勉強していた頃、それぞれの言葉が持つ温度や感覚を、日本語と同じようにもてるように願っていました。例えば温かい・暖かい=caldoですが、何度も使っているうちにその文字を見たり聞いたりするだけで暖かさを感じられるようになってきました。フランス語に関してはまだまだですが、光・日光=lumièreは、もともと日本人にも馴染みのある言葉なので、その言葉を見聞きするだけで光を感じられるようになりました。このlumièreが複数になると知識、啓蒙という意味にもなるというのも感覚的に判る気がします。ドイツ人のゲーテが死の床で「もっと光を!」と言ったといわれていますが、フランス人であったならば、その最期の言葉を巡っていろいろ解釈ができて面白かったであろうに。

2005年10月29日 / オルサ #-URL編集

もうひとつの訳

「カミュ全集-2」を借りてきましたよ。(笑)

借りようと思ったら、目録にあるとおりの開架になくて、大騒ぎに…。(苦笑)
ふるい本なので(といっても、1972年発行だけど)、閉架(書庫)のほうに追いやられていました。

最初のページにくろねこを抱いたカミュの写真があります。かっこいい。

先のコメントに書いたこと、まちがいがありました(私ではなく、図書館の目録がまちがい)。『異邦人』の訳者は、中村光夫訳でした。でも、目録の書誌情報をなおしてくれないんだよね…。めんどくさいのか、その重要性がわかっていないのか…。いやになる…。

“Si on va doucement (...) Mais si on va trop vite (..)”の前後のところ、こう訳されております。

「彼女は顔に似合わぬ特色のある声、耳に快い、慄え声で言った。《ゆっくり行きますと、日射病のおそれがございます。でもあまりいそぎすぎますと、汗をかいてしまって、教会で夏風邪をひきますの》」

こちらのほうが日本語として素直な訳ですか?

2005年10月29日 / oomot #aIcUnOeoURL【編集

オルサさんへ

いやぁー、わたしもこうしてこのカテゴリーでゆっくりとやっているから、いろいろ気づくことも多いのですよ。普通に仏語で読んでいたら、やはり飛ばしてしまう箇所は多いと思います。

フランス語の成り立ち、もともとラテン語とギリシャ語の「語期」というものがあって、漢字と構成要素で共通のものがあるという話を聞いて、なるほどと思いました。日本語を読むときに漢字から発するオーラのようなものがフランス語にもあるのかなーと思ったりもします。

言葉が持つ温度や感覚は、仏語を日本語にしたものでも、普通の日本語の感覚にない表現があったりして面白いです。この場合は仏語の方が自然だったりして(笑)。日本語にするのに無理があったかな・・・みたいな(笑)。

今回の「アルジェの光の巣」le nid de lumières d’Alger は感覚的に訴えてくるなーと思いました。映像的ですね。普通は理論的に文法から入ることが多い語学の勉強も、感覚的にやると、また面白いと思います。もちろん、文法は必須ですが(笑)。その国の思考や感覚を知るみたいで楽しいですね。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

語基でした。

語期じゃなくて「語基」でした。
訂正ですー。これは、いずれ説明してみようかな。この「語基」の表からオリジナルなフランス語を作ったりもできるのですよん♪
以前、課題でやりました。。。フランス語の成り立ちを理解するのに役立ちました。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

oomotさんへ

カミュ、くろねこを抱いていましたか。

中村光夫訳、日本語としてなめらかになっていますね。窪田訳は硬質な感じで、ややとっつきにくい、平坦な感じの文章かも。
「音楽的な」を「耳に快い」になっているのですね。ううむ、窪田訳のほうが怪しい雰囲気がでてますねー(笑)。キャラのイメージがやはり変わってきますねー。

そっちの訳も読んでみたいですね。探しにいこうかな。

2005年10月29日 / しゃるろっと #-URL【編集

異邦人、読書ちう

しゃるろっと様、こんばんわ。
異邦人のほうへも、お邪魔しにきました。窪田訳です。裁判の真っ最中。
大人になって読んでみると、むむむ、いい!
このなんとも今どき?な主人公。
だるい感じがいいですな。
ちょっと感動してますですよ。
 

2005年10月30日 / いづみ #-URL【編集

読書ちう

ですかー。こんばんは、いづみさん!

ムルソー、今どきといえば、そうかもしれませんね。だるい感じ。うん、うん。南仏の人たちもだるかったわー。口数が案外少ないし、ぼやーっとしてた(笑)。
あの、だらだら感が面白いと思えたら、しめたものですねー。裁判までいきましたか。すぐ、読み終わっちゃいますね(笑)。この本、薄いから。

2005年10月30日 / しゃるろっと #-URL【編集

もう間もなく

あと数ページです。こんなに短いとわ。
わたくしてきに、硬質な文章が好きなので窪田訳いい感じ。想像の翼がどんどん広がる~的な気がして。頭の中でイメージ映像がっ。空想の世界で遊べます。
オルサさんがおっしゃってたみたいに、言葉のニュアンスを感じられたら、素敵だろうな~。
しゃるろっと様のおっしゃってた
「発するオーラ」、そうゆうの、感じられるようになりたいな~。
そのためにも、小さなことからこつこつと・・・ううむ、がむばる。

雪虫って、マジなんですね。冗談かと。
北海道に生息する虫。あう。
雪の季節の北海道に憧れてたのに。

2005年11月01日 / いづみ #-URL【編集

いづみさんへ

あと数ページですか。もう、読み終わってるかな? 最後に盛り上がる(!?)お話ですよね。

わたしも窪田訳はフランス語の語感でいい感じだと思います。わかりにくいような気もするけど、ストレートな感じで。

小さなことから、こつこつと・・・passionとpatienceですなー。フランス語の勉強、この二つの言葉を胸に抱いてくだされ☆

雪虫は、雪が降る前の時期に数日ですね。現れるのは。雪が降り出すともういなくなります。年が明けるころ、北海道は空気もきれいで空が青くて、雪で世界はキラキラですよー!

2005年11月01日 / しゃるろっと #-URL【編集

わーい☆

こんばんわ、しゃるろっと様。
よかった。雪が降り出せば、虫さんはいなくなるのですねっ!寒すぎて住めないけど、憧れです、でっかいどう、北海道。

異邦人、解説までぎっちり読みました。

小さなことからこつこつと
passion と patience 
勉強はじめます。
言っちゃったよ~。

2005年11月02日 / いづみ #-URL【編集

わーい★

こんばんは! いづみさん。

雪虫、今年は特別でしたね。普段の年はそんなにいません。北海道、わたしにとってはローカルな地ですねぇ。文化的に遅れてるような気が。。。でも、あくがないというか、センスはいいほうかも。

おお、読まれましたか!
そして勉強まで。わたしも勉強(というか、訓練に近い)しなくちゃねー☆ ほんと、一日一日が大切だと思います!

2005年11月02日 / しゃるろっと #-URL【編集

訓練とな~!

こんばんわ、しゃるろっと様
すんごい。
腕立て伏せとかスクワットしながら
フランス語やってそ。
んなあほな。

レベルは違えど、
何ごとも積み重ねが肝心なのねん。
passion と patience ・・・
呪文となりつつありますですよ。
そうだっ、いつかジダンたんのHPを読んでやるっ がむばろー うをー
あ、素敵なフランス語のサイトがあったら、
教えて下さいね。って、読めない癖に。

2005年11月02日 / いづみ #-URL【編集

いや、訓練です。

こんばんは~、いづみさん!

聞くの、喋るの、発音、読む、書くは訓練ですなー。文法くらいかな、勉強っぽいのは(笑)。

サッカーがお好きなのですね。前はサッカー観てたんだけど、最近さっぱりで、選手もあんまりわかんなくなってきましたー。
フランス語のサイトはGoogleなどでなんか興味のあることフランス語で入れれば、いろいろ出てきますよー。サッカー関係入れてみるのはどうでしょう? 選手の名前とか、チームとか。

2005年11月02日 / しゃるろっと #-URL【編集

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